1992年以降、NAFTA締結したメキシコは米国との貿易量を増やしていきました。
当時は米国との輸出入の額は月間50億米ドル程度の貿易取引量だったのですが、2015年には月間ベースで輸出がおよそ250億米ドル、輸入が200億米ドルと長年にわたり、米国との経済関係を築いてきました。
それがこれからこの関係が崩れようとしております。
米国はメキシコに対して毎月50億ドル分の赤字を常に計上しており、米国の貿易赤字に一役を買っているということになります。
メキシコの輸出額のうち、80%が米国向けですので、ここの経済を制限されてしまいますと、メキシコ経済は一気に冷え込みます。
トランプ大統領はこの長年苦汁をなめてきた米国経済にメスを入れるべく立ち上がっている最中です。
先日、大統領令にメキシコとの国境に壁を建設することに署名をしてしまいました。
間髪入れずに動いてきております。
本当に壁を作るわけないだろうと世間体の見方でしたが、あっという間に対応に正直驚いているでしょう。
アメリカファーストを徹底的に貫く姿勢は引き続き続きそうです。
他人事ではないカナダ
カナダも米国と両隣の国です。人口3600万人ほどの国土に対しては非常に小さな規模の国家です。
貿易輸出先の75%がアメリカと、こちらもメキシコ同様にアメリカ依存度が非常に高くなっています。
こちらも北米自由貿易協定(NAFTA)の一員のため、メキシコの輸入品にメスを入れ終えたあとはカナダになるでしょう。
カナダから米国には、大半が農産物と資源です。いわゆるコモデティになります。
こちらはドルカナダの日足です。
今年に入ってから、メキシコペソと似たような値動き、リズムを生むようになってきました。
原油高からまだカナダドルは堅調に推移しておりますが、今後は徐々に米国の影響を受けてドルカナダは上昇していくものと思われます。
メキシコ同様に輸出額が減っていく可能性が高いと思われます。米国産の鉄鉱石を使って鉄パイプを作れ!っとまで発言しておりましたので、じわじわと影響を受けていくでしょう。とはいっても、米国産だけでは賄えないから輸入をしているわけなんですけどね・・・。
しかし、カナダからこれ以上輸入が増えることはなさそうです。これから米国への輸出に依存している国々は、少しずつ経済が冷えて込んでいってしまうのかもしれません。
米ドルの政策金利は定期的に上昇をしますが、カナダは0.25%と低迷中です。
長期的に金利差も広がっていくことから、ドルカナダは年末には1.40以上を目指すかもしれません。
以上の理由から、ドルカナダは今年の隠れ有望通貨ペアとして注目できそうです。
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